久しぶりの更新になりました。
算数・数学は不思議な教科だと思います。
「論理で考える部分」と「丸暗記する部分」が混在しているように見えるからです。
『商品Aは10個買うと3個おまけがもらえる。では30個買うと何個おまけがもらえるか』
という問いに関して、
「3倍買ったから3倍(9個)もらえる」と答えることができるとして、
「20個多く買ったから20個多く(23個)なる」がなぜ誤りなのか説明できますか?
特に、等式の関係を既に学んだ生徒さんには、
『等式の両辺に同じ数を加減乗除しても等式は成立する』という原則が頭にあって、
上の問題も、乗法の関係でも加法の関係でも良いように見えるようなのです。
商品Aを10個買う、という買い物に3回行った、と考えれば、
ここでは明らかに乗法の関係で、僕たちは生活の中でこれを身に付けています。
これを『こんな場合は乗法の関係』と暗記してしまうと、
どんな場合がこのケースにあてはまるかを暗記しなくてはならない懸念も生じますし、
また、算数・数学と現実とが乖離したもの、という印象を強めてしまいます。
ところが、算数で習う「円周率」や「錐体の体積の公式」は、
きちんと説明することが小学生にとって良いかは疑わしいです。
ですので、この辺りは暗記してもらわなくてはならなくなります。
それに、純粋な四則演算ができない場合には考えたことを表現できなくなります。
ですので、トーチ学習会では一定程度の四則演算や、
ごく一部の暗記公式をマスターさせた後には、
計算問題はさほど多くはさせません。
ただし「論理で考える問題」のほうが本質的に難問です。
ですので分量が少なくても勉強そのものはきついものになります。
見るに、理系に優れた生徒さんほど意図的な暗記はやりません。
代数・幾何のさまざまな概念が身体に染み込んでいるように見えます。
ただ、これも行き過ぎると困ったことになりますので、
そうした場合は通常と逆、単純な演習で処理能力を高めることになります。
「生徒さんによって変わる」というのが回答になりますが、
論理の体得を最優先に置くことには変わりがありません。
できるだけ少ない計算で解答する、
そうした方針で授業を行っております。
トクナガ
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